設立の趣意

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 人の消化管内でフローラを形成している数百種類、100兆個にものぼる細菌が、人の健康に強く関与していることが明らかになっています。また、最近では糖尿病やがん等の生活習慣病の発症機転に、明らかに腸内フローラの関与が強く示唆される事が報告されています。腸内フローラをコントロールし、疾病の予防・治療ひいては人の健康維持増進に役立てるための研究をより深く、積極的に推進していく必要性がますます高まっています。
 しかしながら、腸管内の細菌相互の、あるいは腸内菌と生体との相互作用の研究は極めて複雑であり、細菌学の分野からだけではなく、栄養学、免疫学、生理学、病理学、遺伝学、腫瘍学、その他広くバイオサイエンスを総合する形でのアプローチが必要です。
 私どもは、人の健康に深い関わりを有する腸内フローラの研究を主体とした、広範なバイオサイエンスに関する調査・研究・助成、並びに国際的な研究交流の推進・援助等を行なうために、財団法人ヤクルト・バイオサイエンス研究財団を設立いたしました。当財団が学術研究の進展と科学技術の振興の一助となり、同時に我が国のみならず、全世界的視野での健康で豊かな生活に寄与するものと確信しております。